「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法・助成金に関する情報を、ブログでお伝えしています。
「あなたの、はた「楽」をサポート」、おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。
従業員さんが病気になった時を想定して、前回は、従業員さんの所得補償を題材にお知らせしました。
所得補償の関係は、知らなくて申請していないということがないよう、経営者が「従業員さんを守る」という意味でも、ぜひ知識を付けていただきたい内容です。
よろしければ、今回の記事と合わせてお読みください。
病気で仕事ができないとき~治療と仕事の両立支援~
今回からは、治療と仕事の両立を取り上げていきたいと思います。
まずはヒントとなる情報をお知らせしたいと思います。
病気というのは、年を取ると病気になると決まっているわけではなく、赤ちゃんであっても、学生であっても、社会人になりたてであっても、病気になる可能性はだれでも持っています。
日本の労働人口の約3人に1人が何らかの病気を抱えているといわれているそうですが
- 治療を受けるために会社を休めない
- 病気に対する職場の理解がない
- 会社の支援体制の不足
などの理由で、長期の治療が必要になりますと、退職せざるを得ない場合が多いのが現状かもしれません。
今の医療の進歩で、昔は治らなかった病気も、適切な治療をしていけば治るようになってきましたから、
・治療をしながら仕事をする
・治療後に仕事に復帰する
ということが、昔よりもできるようになってきたと思います。
人材不足の世の中ということもあり、治療と仕事の両立支援がうまくいけば、会社として貴重な人材を失ってしまうことを防げるわけですし、従業員さんを守ることができます。
ここでは、無理して仕事をさせるという意味ではありません。
同じ病気であっても病状はそれぞれ違うでしょうし、治療方法や回復までの期間も人それぞれでしょう。
まずは治療に専念し、治ったら仕事を新たにはじめるたいというかたもいらっしゃるでしょうし
反対に、「仕事をしたい」という強い希望を持つ従業員さんもいるでしょう。
ケースバイケースで一概には言えませんが、会社として、
「治療と仕事を両立できる職場環境づくり」を考えて、できるところから取り組んでいくヒントになればいいと思います。
治療と仕事の両立をしていくためのヒントに、厚生労働省からガイドラインが出ています。
下記にご紹介させていただきたいと思います。
事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン
このガイドラインは、事業場が、がん、脳卒中などの疾病を抱える方々に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、
治療と職業生活が両立できるようにするため、事業場における取組などをまとめたものです。
厚生労働省 治療と仕事の両立について(パンフレット等がまとまっているページ)
事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドラインには、下記のようなことが書かれています。
- 治療と職業生活の両立支援を巡る状況
- 治療と職業生活の両立支援の位置づけと意義
- 治療と職業生活の両立支援を行うに当たっての留意事項
- 両立支援を行うための環境整備(実施前の準備事項)
- 両立支援の進め方
治療と仕事の両立支援ナビ ポータルサイト
治療と仕事の両立の支援にあたって、気を付けるべきこと、準備の仕方、進め方がまとまっているホームページがあります。
治療と仕事の両立支援ナビによれば、このポータルサイトは株式会社日本経済社が開設しているもの。
支援者(人事労務担当、上司・同僚、産業保健スタッフ、経営者)等への的確な情報提供の基盤を整備するためのページになっています。
「治療と仕事の両立支援ナビ」(以下「サイト」という。)は、平成30年度の厚生労働省委託事業として株式会社日本経済社が受託して開設することになったものです。
このサイトの目的は、治療と仕事の両立支援について、支援者(人事労務担当、上司・同僚、産業保健スタッフ、経営者)等への的確な情報提供の基盤を整備することです。
「どのように取り組めばよいのか」、「どこに相談すればよいのか」、「どのような支援があるのか」などの様々な疑問に、既存の情報と新規に作成する情報を一元化して「探しやすい」、「見やすい」、「理解しやすい」情報として提供することを目的としています。そのため、情報の追加・更新することにより「育てる」サイトとなるよう努めています。
こちらの画像のうさぎは、治療と仕事の両立支援のイメージキャラクターで、「ちりょううさ」というそうです。
今年度は残るは神奈川での開催だけのようですが、両立支援シンポジウム・セミナーが8都市で行われています。
シンポジウムの模様が動画で見られるページもあります。
日経Smart Work 働き方改革Advance~事例で学ぶ「治療と仕事の両立支援」~
お時間がありましたら、少し覗いてみてください。
しのだ
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埼玉県川越市で開業している「あなたの、はた「楽」をサポート」する社会保険労務士です。
元リケジョであり、IT業界から社会保険労務士に転身した、ちょっと異色の経歴をもつ社労士です。
プライベートでは3男児の母になり、会社員時代に産休・育休・時短勤務も身をもって経験済。市内保育園に10年以上お世話になっています・・・
働く時間は人生の3分の1ともいわれます。
社長さんも従業員さんも、働くすべての人に楽しい仕事人生を送ってほしいという思いから、社会保険労務士になりました。
現在は社労士業である労務管理と合わせて、人事制度・賃金制度を中心とした制度作り、採用育成に関するコンサルティングを行っています。
中小企業の身近なアドバイザーとして、よりよい職場づくりを応援しています。