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【毎月勤労統計】毎月勤労統計の不適切な調査について

「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法に関する情報を、ブログでお伝えしています。

「あなたの、はた「楽」をサポート」、おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。

 

毎月勤労統計に関して

全数調査するとしていたところを東京都は一部抽出調査で行っていたことが判明し、

平成16年以降の毎月勤労統計調査における賃金額が低めに出ていることがわかりました。

このため、平均給与額の変動を基礎としてスライド率等を算定している雇用保険の給付額などに影響が出て大問題となっています。

 

毎月勤労統計がこれほど話題になったのは、社労士になってからはじめてですが・・・

私もよくこの勤労統計を使っていまして、特に、お客様より給与の設定について聞かれたときにお持ちする資料の材料となるものでした。

信頼できる統計だと思っていただけに、15年前から抽出に誤りがあったということで、とても残念なニュースです。

 

ちなみにこちらに記事によれば、原因はプログラミングの単純ミス。

毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書について

には

システム改修の依頼を受けたシステム担当係は外部業者等に委託することなく自前でシステム改修を行うことになるが、

毎月勤労統計調査に係るシステムのプログラム言語はCOBOL であり、

一般的にシステム担当係で COBOL を扱える者は1人又は2人に過ぎなかった。

このため、一般的にシステム改修を行う場合はダブルチェックを行うが、ダブルチェックができない場合も多かった(平成15(2003)年当時は

COBOL を扱える者は2人いたが、それぞれが別の仕事を分担して処理していたため、

当該者同士でダブルチェックをするようなことはなかった。)。

というように書かれています。

単に、ダブルチェックしなかったらミスに気付かなかった、ただそれだけ。

 

私、実は会社員時代はシステムエンジニアとして働いておりまして、当時使っていた言語がCOBOLでした。

私の所属していた会社では上司にチェックしてもらう仕組みが確立されており

ダブルチェックをしてもいないプログラムが本番で動いてしまうような社内の仕組み自体ありえませんでした。

>システム改修の依頼を受けたシステム担当係は外部業者等に委託することなく自前でシステム改修を行う

という環境自体に問題があったのではないか、外部に委託してでもダブルチェックくらいしなくてはいけないのではないか。

そんなことも思いながらニュースを見ています。

 

さて、余談が長くなりましたが、そんな話題の毎月勤労統計。下記のような調査になっています。

毎月勤労統計とは

対象

常用労働者を5人以上雇用する事業所

なんの調査か?

賃金、労働時間、雇用の変動を把握する調査です。

どれくらいの頻度で?

毎月、調査を行っています。

調査の翌々月 10 日までに速報版を公表し、調査が完結した時に確報版を公表しています。

調査の結果は何に使われているのか?

景気動向を判断するための指標の一つ

厚生労働政策や経済政策の基礎資料

企業の労働条件決定の際の参考資料として幅広く活用されています。

 

そして気になるのは影響ですね。

調査誤りで、どのような影響があるのか?

今回の毎月勤労統計の誤りによって、

平成 16 年以降

雇用保険、労災保険、船員保険の給付を受給した方

雇用調整助成金など事業主向け助成金を受けた事業主の方

に追加給付の可能性があります。

追加給付の対象となる可能性がある方

(1)雇用保険関係
・「基本手当」、「再就職手当」、「高年齢雇用継続給付」、「育児休業給付」などの雇用保険給付を
平成16年8月以降に受給された方
・ 雇用保険と同様又は類似の計算により給付額を決めている「政府職員失業者退職手当」
(国家公務員退職手当法)、「就職促進手当」(労働施策総合推進法)(2)労災保険関係
・ 「傷病(補償)年金」、「障害(補償)年金」、「遺族(補償)年金」、「休業(補償)給付」などの
労災保険給付や特別支給金等を平成16年7月以降に受給された方(3)船員保険関係
・ 船員保険制度の「障害年金」、「遺族年金」などの船員保険給付を平成16年8月以降に受給された方(4)事業主向け助成金
・ 「雇用調整助成金」の支給決定の対象となった休業等期間の初日が平成16年8月から平成23年7月の間
であったか、平成26年8月以降であった事業主  等

対象の方には、準備が整い次第、お手紙で連絡が来るそうです。
「消えた年金記録問題」を思い出すのは私だけでしょうか。

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