「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法に関する情報を、ブログでお伝えしています。
「あなたの、はた「楽」をサポート」、おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。
私には3人のこどもがいるのですが、やっぱり兄弟だからどこか通じるところがあるのでしょうか。
先週末から今週にかけて、次々に病気になりまして、平日誰かしら家にいる状態になっていました。
ほかにも、今週は、こども関係の用事で小学校と保育園に行っていたり。
私が会社員だったら、これに全部有給休暇を使ったとすると、有休が10日として、半分消えてしまうわけなのです。
実際のところは、長男次男はある程度大きいので、ひとりで留守番。
他、夫や母の助けを借りたり、自営業なので時間をやりくりするのは会社員の方よりはたやすいですためこれくらいなら乗り越えられます。
ただ、共働きで、おじいちゃんおばあちゃんも近くにいない、子供も小さいとなると大変だろうなと想像します。
こちらのブログは労働法の話ですので、このあたりはどのようになっているのだろうか?
という話をしたいと思います。
労働法は「労働者を守る」法律ですので、当然のことながら、事業主は配慮すべき内容になっています。
今日、ご紹介したいのは、育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)で定められている、「子の看護休暇」です。
こどもが病気の時などに使えるのですが、なかなか浸透していないので、ぜひ知っていただきたい休暇です。
第16条の2 (子の看護休暇の申出)
- 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、1の年度において5労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては、10労働日)を限度として、負傷し、若しくは疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇(以下「子の看護休暇」という。)を取得することができる。
- 子の看護休暇は、1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得することができる。
少しわかりにくかったかと思いますので、簡単にまとめてみますと
・小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで取得できる
・1日又は半日(所定労働時間の2分の1)単位で取得が可能
です。
病気・けがをした子どもの看護や、子どもに予防接種、健康診断を受けさせる、といった場合に取得できる休暇です。
1つ大切なのはこの休暇が有給なのか無給なのかという点ですが、有給にするかは無給にするかは会社で決めることができます。
このあたりは細かいので雇用契約書や労働条件通知書には書かれていないことが多いと思います。
もめないようにきちんと就業規則に記載しておかれるといいと思います。
意外に知らない方が多い、子の看護休暇です。
欠勤と子の看護休暇の違い
子の看護休暇が無給の場合は、「有給休暇を使う」のがもっとも一般的だと思います。有給休暇なら、給料が減らないからです。
ですが、最初に書いた通り、こどもは病気やケガ、呼び出しも多いです。
図らずも連続してお休みせざるを得ないこともあり、有給休暇を使い切ってしまうことは、十分ありうると思います。
そのとき、即座に欠勤の扱いにしてしまうと、どうでしょうか。
欠勤控除するから、どちらも同じでしょうか?
「欠勤」としますと、こどもの病気で休んだという正当な理由があるにも関わらず、「有給休暇を使い切った人が寝坊して会社に行けなかったとき」と扱いとしては同じです。
懲戒処分の対象になったり、将来の昇格・昇給に影響が出てしまうことが考えられます。
ですから、欠勤とはわけて、「子の看護休暇」の扱いにすることをおすすめしたいと思います。
しのだ
該当の従業員さんには、「子の看護休暇」を取得する権利があります。
取りたいと言われた場合には、「そんなものは、うちの会社にはない!」ではなく、対応してあげてください。
埼玉県川越市で開業している「あなたの、はた「楽」をサポート」する社会保険労務士です。
元リケジョであり、IT業界から社会保険労務士に転身した、ちょっと異色の経歴をもつ社労士です。
プライベートでは3男児の母になり、会社員時代に産休・育休・時短勤務も身をもって経験済。市内保育園に10年以上お世話になっています・・・
働く時間は人生の3分の1ともいわれます。
社長さんも従業員さんも、働くすべての人に楽しい仕事人生を送ってほしいという思いから、社会保険労務士になりました。
現在は社労士業である労務管理と合わせて、人事制度・賃金制度を中心とした制度作り、採用育成に関するコンサルティングを行っています。
中小企業の身近なアドバイザーとして、よりよい職場づくりを応援しています。