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違法残業事件の罰則

 

ニュースの内容から。

高橋まつりさん母、上司不起訴に審査申し立て 東京検察審査会へ

大手広告会社の電通(東京)の違法残業事件で、過労自殺した新入社員、高橋まつりさん=当時(24)=の母、幸美さん(55)は25日、労働基準法違反容疑で書類送検された元上司の不起訴処分は不当として、東京検察審査会に審査を申し立てたことを明らかにした。

電通の違法残業事件。ご遺族であるお母様の戦い、まだ続いています。

戦い方も知らなかっただろうお母様が、たったひとりで電通、国、司法という巨大な組織に立ち向かい続ける、その心労はいかばかりか、胸が痛みます。

 

今までの経緯は

2015年4月1日  高橋まつりさん、電通に入社

2015年12月25日 投身自殺

2016年9月30日   東京労働局三田労基署が、過労自殺として労災認定

2016年10月14日 労働局が電通本支社一斉立ち入り調査(臨検)
2016年11月  7日 電通本支社の強制捜査

2016年12月28日 東京労働局が、法人としての電通と、元上司を書類送検

2017年7月5日     法人としての電通を労働基準法違反罪で略式起訴。元上司については不起訴処分(起訴猶予)

2017年7月12日   略式起訴は 不相当とし、正式裁判へ

2017年9月22日   初公判、罰金50万円を求刑し、公判は同日結審

2017年10月6日に、法人としての電通が、東京簡易裁判所から労働基準法違反に対して、罰金50万円の有罪判決が言い渡される

 

法人としては有罪判決となりました。

が、直接、高橋まつりさんに長時間労働とパワハラセクハラをし、うつ病を発症させ、死に追いやったと思われる、元上司(個人)に対しては不起訴となりました。

 

これを不服とし、ご遺族であるお母様が

「違法労働が会社の風土であったからといって上司個人の行為が許されてよいのか、日本全体に問いかけたい」

ということで、異議申し立てをしたものです。(2017年12月27日付)

 

労働基準法の罰則はたった50万円。

人のいのちが失われたこと、電通が大企業であることを考えると、非常に少ない額です。

残念ながら、今の労働基準法はいちばん重いとされる罰則でも

1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金

となっているので、再考でも300万円。

この罰則は、労働基準法第5条の強制労働禁止に対する規定違反となりまして、下記の条文違反に対する罰則となります。

労働基準法 第5条

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

昔は建設現場や鉱山で、タコ部屋、監獄部屋等によって労働を強制する働き方をさせていたため、非人道的、封建的な取り扱いの排除を目的として規定されたものであるとのことです。

 

今回の電通の過労死事件の場合は、長時間労働に対する違反の為

6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金

第32条

  1. 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
  2. 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

の違反が問われたと考えられます。

(30万よりも高い50万という判決は、高橋まつりさんを含め、合計4人に対する判決だからのようです)

 

連日ニュースになり、電通が社会的な制裁を受けたことは間違いありません。

経済産業省は、電通が略式起訴になったことを受け、経産省が実施する入札などに2017年7月11日~8月10日まで指名停止措置をとりました。

この間電通は、経済産業省が実施する調査委託に関する一般競争入札に参加できず、補助金の受給申請ができませんでした。

 

とはいえ、個人のほうは罪にはなりませんでしたので、会社を辞めることでその場から去ることもできるわけです。

この異議申し立て、どのような判断となりますでしょうか。

 

このような辛い事件が二度と起きないよう、誰もが働きやすい、自分の能力を十分に発揮できる職場づくりが、どの会社でも進むことを願ってやみません。

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