「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法に関する情報を、ブログでお伝えしています。
「あなたの、はた「楽」をサポート」、おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。
平成30年版過労死等防止対策白書が公表されています。
過労死等防止対策白書は、過労死等防止対策推進法第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次の報告書です。
過労死等の概要や政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況を取りまとめたものになります。
今回が3回目の公表です。
下記よりダウンロードできます。
今年も過労死に関する労災事故や裁判の話題がたびたびニュースになり、話題に欠くことはありませんでした。
特に過労死が多い、自動車運転従事者(タクシー、トラックの運転手)教職員、医療業界、IT業界については、労働実態等を重点的に分析する内容になっています。
お時間のあるときに、「骨子」「概要」だけでも目を通していただけると、過労死の現状や、国がどのような目標を立て、対策を講じようとしているのかが理解できると思います。
国における主な取組として、新大綱に数値目標を6項目掲げています。
内容は下記の通りです。(2,5,6が新規で追加になりました。)
1 週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下(2020年まで)
特に長時間労働が懸念される週労働時間40時間以上の雇用者の労働時間の実情を踏まえつつ、この目標の達成に向けた取組を推進する。
*2017年:週40時間の雇用者のうち週60時間以上労働した者の割合は12.1%
2 勤務間インターバル制度(2020年まで)
労働者30人以上の企業のうち、
【目標1】 「制度を知らない」と回答する企業比率を20%未満とする。
※ 2017年:制度を導入していない企業(全体の92.9%)のうち40.2% ⇒ 全体の37.3%)
【目標2】 制度の導入企業割合を10%以上とする。
※ 2017年:1.4%
3 年次有給休暇取得率を70%以上とする(2020年まで)
特に、年次有給休暇の取得日数が0日の者の解消に向けた取組を推進する。
※ 正社員の年休取得日数0日:16.1%(2011年)
4 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする(2022年まで)
5 仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上とする(2022年まで)
※ 2016年:71.2%
6 ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場割合を60%以上とする(2022年まで)
※ 2016年:37.1%
しのだ
長時間労働の是正、定期的なストレスチェック、メンタルヘルスに関する相談先の設置など、
会社として、過労死対策への配慮や取組みが一層求められることになっていくことでしょう。
平成29年度の過労死等防止対策白書について書いた記事はこちらです。
埼玉県川越市で開業している「あなたの、はた「楽」をサポート」する社会保険労務士です。
元リケジョであり、IT業界から社会保険労務士に転身した、ちょっと異色の経歴をもつ社労士です。
プライベートでは3男児の母になり、会社員時代に産休・育休・時短勤務も身をもって経験済。市内保育園に10年以上お世話になっています・・・
働く時間は人生の3分の1ともいわれます。
社長さんも従業員さんも、働くすべての人に楽しい仕事人生を送ってほしいという思いから、社会保険労務士になりました。
現在は社労士業である労務管理と合わせて、人事制度・賃金制度を中心とした制度作り、採用育成に関するコンサルティングを行っています。
中小企業の身近なアドバイザーとして、よりよい職場づくりを応援しています。