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正しい給与計算を。未払い賃金請求期間が3年になります。

「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法に関する情報を、ブログでお伝えしています。

「あなたの、はた「楽」をサポート」、おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。

 

会社を辞めたくても辞められない従業員向けに、退職の「退職代行」というサービスが増えているそうです。

依頼者の退職の意思を依頼者に代わって会社に伝え、退職を支援するサービスなのだそう。

単に退職する意思表示だけでなく、同時に未払いの残業代請求をする場合も増えているようです。

 

給与計算はあなどれません

給与計算、みなさんの会社ではだれが行っていますでしょうか?

自社で行っている

民間企業に頼んでいる

税理士事務所に頼んでいる

社労士事務所に頼んでいる

といろいろと選択肢はありますが、給与は労働の対価として支払われるものです。

従業員さんがもっとも気にするところですから、「期限内」に「正しく」計算しなければなりません。

給与計算は、難易度が高い業務の1つだと思います。単に細かくて面倒なだけではありません。

 

特に残業が多かったり休日労働がある場合、残業代の計算は、非常に難しいです。

労働法やその会社のルール(休日や勤務時間等、雇用契約書や就業規則の内容)を知っていないと、正しい計算はできないからです。

 

様々な会社様とお付き合いさせていただいていますが、残業代の計算については、

中小企業の経営者様の認識と、正しい計算方法とは大きな隔たりがあると感じています。

実際に

「これだけ払っているんだから、従業員も文句言わないでしょ」

という経営者の方もいらっしゃいます。

給与計算方法がまちがっていても、

「ずっとこうしていたんだから、このままで」

という方もいらっしゃいます。

いちばん多いのは、間違っていることに気が付いていない方。

これはここがこういう風に違いますよ?と言うと

「え!そうなんですか?知らなかった!」と、びっくりされることが多いですね。

未払賃金の請求ができる「賃金請求権」の消滅時効

今日の本題ですが、賃金等請求権の消滅時効。

消滅時効というと難しい言い回しですが、

未払いの残業代請求を、従業員はいったいどこまでさかのぼって請求することができるのか」

「未払いを指摘された場合、経営者はどこまでさかのぼって払わなければいけないのか」

という話です。

仮に、月に3万円の未払いがあったとすれば、1年で3×12か月=36万円

2年で36×2=72万円、3年で108万円・・・

月数万円の誤差が、積もり積もってこんなに大きな額になってしまいます。

時効がどこまでというのは非常に大きな問題です。

 

 

ある日突然、社員が来なくなって、退職を代行する代理人より

「退職届」「未払い残業代の請求」が同時にきたらどうでしょうか。

 

急に社員がいなくなった穴を埋めるのも損失だというのに、さらに数十万~数百万の請求をされる可能性があるということになります。

 

現行の賃金請求権の消滅時効

さて、現在はどうなっているかといえば、労働基準法で

・賃金については2年

と定められています。

(退職金については5年です)

 

当面の間、3年に変わります

2020年4月の民法改正により、賃金に関する債権の消滅時効が原則5年に変わります。

そこで、労働基準法で定めている時効2年をどうするのか、

労働政策審議会 (労働条件分科会)で、「賃金等請求権の消滅時効の在り方について」ということで検討されてきました。

厚生労働省HP 労働政策審議会(労働条件分科会)

 

最近結論が出まして、「当面3年とする」ことになりました。

(4月の労働基準法改正を目指しています)

 

現行の2年から1年延びることになります。

なぜ民法の「5年」にはならないかというと、企業経営の負担が過大にならないよう、まずは3年への延長で、とのことで、

将来的には5年となるようです。

 

就業規則や、雇用契約書を見直し、正しい給与計算をし、リスク対策をしっかりしておかれることをおすすめします。

しのだ

給与計算を正しく行っていれば怖くない話ですが、十分にご注意ください

 

 

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