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代休と振替の違い

 

「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法に関する情報を、ブログでお伝えしています。

「あなたの、はた「楽」をサポート」、おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。

 

休日の「振替」と「代休」。

どちらも「お休みの日に出勤させる代わりに、他の日に休んでもらう」、労働日と休日の交換をするものです。

どちらも同じ意味に使われがちですが、割増賃金(残業代)の計算方法に違いがあります。

法定休日と法定外休日(所定休日)

休日の「振替」と「代休」の話をする前に、休日には法定休日と法定外休日の2つがあります。

労働基準法において、最低限の休日として

使用者は、少なくとも毎週1日の休日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない

とされていて、この休日のことを法定休日と呼んでいます。

それ以外の就業規則等で定められている休日のことを法定外休日(所定休日)と呼んでいます。

 

法定休日に出勤した場合は、休日労働になり、休日手当(1.35倍)の支払いが必要になります。

法定外休日の場合は、休日手当(1.35倍)の支払いは不要です。

例えば、完全週休2日制で日曜日が法定休日の会社の場合、土曜日や祝祭日に勤務させても休日手当(1.35倍)を支払う必要はありません。

(ただし、土曜日の出勤で1週間の所定労働時間を超えている部分については1.25倍の割増賃金の支払いが必要です。)


 

これを踏まえて休日労働の振替と代休についてお話しさせていただきます。

振替休日とは

「振替」とはあらかじめ休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすることを言います。

あらかじめ・・・つまり前もって労働日と休日を交換するのが振替です。

休日として定められていた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。

休日の振替 「前もって」休日と労働日を入れ替える
日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
変更前 法定休日 出勤 出勤 出勤 出勤 出勤 法定外休日
変更後 出勤 出勤 出勤 法定休日 出勤 出勤 法定外休日

日曜日が法定休日、水曜日が労働日でしたが、日曜日と水曜日の勤務を前もって入れ替えました。

これは、休日と労働日を「交換」しただけなので、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはなりません。

休日手当の支払いも必要ありません。

代休とは

勤務日の振替を行わずに休日に労働させ、事後に代休を与えた場合のことをいいます。

 

代休→ 休日に出勤した場合に、事後にその代わりの休日をとること
日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
変更前 法定休日 出勤 出勤 出勤 出勤 出勤 法定外休日
変更後 出勤 出勤 出勤 代休 出勤 出勤 法定外休日

この場合は、法定休日の日曜日に休日労働した後で、その代わりのお休みを水曜日に取りました。

事後にお休みをとらせることを「代休」といいます。

※法定休日に労働させているので、休日労働になり、休日手当(割増賃金1.35倍)の支払いが必要になります。

注意点

表の例では、法定休日を日曜日としています。(土曜日もお休みですが、法定外休日(所定休日)、としています。)

 

振替休日の注意点

  • 振替出勤により休日を翌週に振り替えた場合には、1週間の労働時間が40時間を超えることになるので、40時間を超えた部分について時間外手当(基礎時給×0.25×40H超過数)を支払う必要があります。

 

 

しのだ

このように事前に振り替えるか、後で代休をとるかで給与が変わってきます。

「休日出勤届」を提出してもらい、事前にわかっている場合は、「休日の振替」で対応するとよいでしょう。

 

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