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平成29年版過労死等防止対策白書

先日、電通の過労死事件に少しだけ、触れさせていただきましたが・・・

 

今回は、過労死に関連して、過労死に関するデータや分析結果等が公表されている「過労死等防止対策白書」をご紹介したいと思います。

 

過労死等防止対策白書は、平成26年(2014年)に制定された、過労死等防止対策推進法に基づいています。

過労死等の概要や政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況を取りまとめることとなり、「過労死等防止対策白書」として毎年公表されることとなったのです。

最新の平成29年版過労死防止対策白書は、平成28年版に続いて2回目の過労死防止対策白書です。

ちなみに、過労死「等」となっていますが、言葉の定義は下記の通りです。

  • 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
  • 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
  • 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害

お亡くなりにはなっていないけれども、病気になってしまった方を含むため、「等」がついています。

 

白書の統計データの中から、過労死に関するデータと分析がありましたので、ほんの一部ですがご紹介したいと思います。

この中ではご紹介できる部分が限られてしまうので、ぜひ、過労死等防止対策白書、お時間のある時にご一読ください。

 自殺について

自殺者数

日本全体での自殺者数は、平 成22年以後減少傾向であるものの、平成 28年は21,897人。

このうち、被雇用者・勤め人の自殺者数は  6,324人

さらに、勤務問題が原因・動機の一つと推定される自殺者数は、1,978人

と公表されています。

(被雇用者・勤め人とは、有職者から自営業・家族従業者を除いたもので、会社役員等を含みます。)

勤務問題が原因・動機の一つと推定される自殺者の、「自殺の原因や動機」

勤務問題が原因・動機の一つと推定される自殺者1,978人の、自殺の原因や動機についてまとめられているものです。

平成28年は

「仕事疲れ」がもっとも多く、29.9%
「職場の人間関係」が24.2%
「仕事の失敗」が18.7%
「職場環境の変化」が12.4%

となっています。疲労の蓄積を防ぐことがいかに大切なことかがわかります。

勤務問題が原因・動機の一つと推定される自殺者の、「年齢」

勤務問題が原因・動機の一つと推定される自殺者1,978人の、年齢を分析しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→40代の自殺者がいちばん多く、30代、50代、20代の順に続いています。

続いて労災の、過労死等の調査・分析から

労災 脳・心臓疾患に係る支給決定(認定)件数の推移

→支給決定(認定)件数は、2009年以降は、 200 件台後半~ 300 件台前半の間で推移しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

労災 精神障害に係る支給決定(認定)件数の推移

→業務で強いストレスをうけ精神障害を発生した場合の労災請求件数は、年を追うごとに増えてます。

企業のメンタルヘルス対策の重要性がますます高まっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

業種別の分析

脳・心臓疾患

  • 運輸業
  • 郵便業
  • 卸売業
  • 小売業

脳、心臓疾患は、運輸業・運送業が最も多い結果となっています。運輸業・運送業については、トラック、バス、タクシーの運転手の人員不足の解消や、深夜勤務の削減などの対策が白書で提言されています。

精神障害

  • 製造業
  • 卸売業,小売業
  • 医療・福祉業

 

他にも公務員についての分析があったり、過労死等の防止のための対策の実施状況もありますので、ご興味がありましたらぜひ白書を読んでみてください。

この白書、労働者だけでなく、法人役員、自営業者についても触れられています。

健康に働き続けるには、法人役員、自営業者も一般の労働者と同様に、日頃から労働時間を適正に把握し、長時間労働を抑制していくことが課題である。

経営者にとっては、勤務時間はあってないようなもの。

私がご縁があってお会いする社長さんは、分単位でスケジュールを決めている方、夜でないとお会いできない方、お忙しい方がたくさんいらっしゃいます。

どこまでが仕事というものもなく、作れば作るほどある仕事。

動けば動くほど売り上げが上がるなら、持てる時間をすべて仕事にあてる方がたくさんいらっしゃることと思います。

ですが、疲労をためすぎてしまうと、うつ病など精神疾患を発症させやすい状況となってしまいます。

あまり無理をしすぎず、ときどき家族と過ごす時間をもったり、趣味の時間を持ったりすることも仕事を元気に長く続けるために必要なこと、というわけで、少しはお休みも取って、心と体を休めてくださいね。

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