「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法に関する情報を、ブログでお伝えしています。
おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。
私には小学校5年生になる息子がいます。
彼の将来なりたいものが
「ユーチューバー(YouTuber)!!」。
ヒカキンとセイキン、はじめしゃちょー、フィッシャーズが面白くて好きなのだそうです。
で、ここのところの彼の質問が
俺、働いていいの?
ユーチューバーはもうできるのか、やっていいのか、しきりに聞いてきます。
ユーチューバーって、今や小学生の「将来なりたい職業ランキング」にもランクインするくらい、人気職業だそうです。
時代の流れと、自分が年を取ったことを感じる瞬間でもあるのですが・・・
はてさて、労働基準法では
労働基準法 第56条
- 使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。
となっており、原則、中学を卒業するまでは働くことができません。
例外としては
満13歳以上の場合
下記以外の児童の健康及び福祉に有害でなく、労働が軽易なものであれば、修学時間外に働くことができます。
(労働基準監督署長の許可が必要です)
- 物の製造、改造、加工、修理、洗浄、選別、包装、装飾、仕上げ、販売のためにする仕立て、破壊若しくは解体又は材料の変造の事業(電気、ガス又は各種動力の発生、変更若しくは伝導の事業及び水道の事業を含む。)
- 鉱業、石切り業その他土石又は鉱物採取の事業
- 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
- 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
- ドック、船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫における貨物の取扱いの事業
満13歳未満の場合
映画の製作または演劇の事業については、子役として、修学時間外に使用することが認められています。
(労働基準監督署長の許可が必要です)
話を戻しますと、息子、小学5年生。
小学5年生というと10歳か11歳。労働基準法で言えば、子役以外の仕事はできないということになります。
じゃあユーチューバーはできないの?
という質問なのですが・・・
そもそも労働者の定義というのは
労働基準法 第9条 労働者の定義
第9条 労働基準法で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
労働基準法の労働者に該当するためには
- 事業に使用されている者であること
- 使用者から指揮命令を受けて労務を提供している者であること
- 賃金が支払われることであること
という3つの要件を満たしていることが必要なのです。
というわけで、うちの息子が家で動画を撮ってYouTubeにUPして稼いだとしても、労働者ではないので労働基準法には抵触しないのです。
逆に、会社がユーチューバーを採用して給料を払うというケースではもちろん、労働者扱いなので、労働基準法が適用になります。
住所や個人情報を特定されたりする可能性があります。
投稿した動画は消したくてもコピー、再配布されてしまったら全部消すことは不可能です。
様々なリスクを踏まえたうえで、もちろん保護者の監視下で、ユーチューバーとして活動する分にはいいのでしょうね。
といっても息子、ユーチューバーになるから勉強しなくていいっていうのは、ちょっと違うと思うけどねぇ・・・
埼玉県川越市で開業している「あなたの、はた「楽」をサポート」する社会保険労務士です。
元リケジョであり、IT業界から社会保険労務士に転身した、ちょっと異色の経歴をもつ社労士です。
プライベートでは3男児の母になり、会社員時代に産休・育休・時短勤務も身をもって経験済。市内保育園に10年以上お世話になっています・・・
働く時間は人生の3分の1ともいわれます。
社長さんも従業員さんも、働くすべての人に楽しい仕事人生を送ってほしいという思いから、社会保険労務士になりました。
現在は社労士業である労務管理と合わせて、人事制度・賃金制度を中心とした制度作り、採用育成に関するコンサルティングを行っています。
中小企業の身近なアドバイザーとして、よりよい職場づくりを応援しています。