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地震の際の休業手当

「人を雇用する中小企業の経営者様」に知ってただきたい労働・社会保険法に関する情報を、ブログでお伝えしています。

「あなたの、はた「楽」をサポート」、おひさま社会保険労務士事務所代表の篠田 恭子です。

 

2018年9月6日に北海道で最大震度7の地震。

「平成30年北海道胆振東部地震」が発生してから、本日10日で5日目となりました。

 

ちょうど、8月の終わりに夏休みを利用して家族で北海道に行って帰ってきてすぐの出来事でした。

帰ってきてまだ北海道の余韻が残っていた時の地震で、実際に歩いた場所もテレビでうつり、辛い気持ちになりました

新聞やTVの報道を見ていますと、かなり被害が大きいようで心が痛みます。

今回の震災で被害を受けられた多くの方に心よりお見舞い申し上げます。

通常の生活に戻れますようよう、少しでも早い復旧を願うばかりです。

 

停電になり、電車が止まったという情報がありました。地震発生後しばらくは、多くの方が通常通りの勤務ができなかったと思われます。

災害時に会社が休業せざるを得ないとき、従業員が休んだ場合はどういう扱いになるのか。少し触れておきたいと思います。

労働基準法では、使用者(会社側)に責任があって従業員を休業させる場合は、休業補償をしなくてはならないとされています。

労働基準法 第26条 (休業手当)

 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の60/100以上の手当を支払わなければならない。

この、「使用者の責に帰すべき事由」に当てはまるのは、下記の休業です。

  1. 使用者が労働者を違法に解雇、出勤停止、ロックアウトした場合の休業
  2. 機械の故障、検査の休業
  3. 原料、材料の不足の休業
  4. 電気等の燃料の供給不足の休業
  5. 運転資金の不足等による操業の全部的または部分的停止の休業

しかしながら、今回の地震もそうですが、天災事変等の不可抗力の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はないとされています。

ここでいう不可抗力とは、

  1. その原因が事業の外部より発生した事故であること、
  2. 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

上記2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。

 

事業場の施設や設備が、直接的な被害を受けたとき

地震で事業場の施設・設備が直接的な被害を受け、その結果、労働者を休業させる場合は、休業の原因は事業主の関与の範囲外です。

この場合は、事業主が「通常の経営者として最大の注意を尽くしても、なお避けることのできない事故に該当する」と考えられます。

このような場合は、原則として、使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないと考えられます。

 

事業場の施設や設備が、直接的な被害を受けなかったとき

事業場の施設・設備は直接的な被害を受けていないが、取引先や鉄道・道路が被害を受け、原材料の仕入、製品の納入等が不能となった場合

この場合には、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当すると考えられます。

  1. その原因が事業の外部より発生した事故であること
  2. 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

の2つの要件を満たす場合には、例外的に「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しないと考えられます。

具体的には、取引先への依存の程度、輸送経路の状況、他の代替手段の可能性、災害発生からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、判断することになります。

 

罰則

休業手当の不払い
30万円以下の罰金が科されるほか、裁判所により未払金と同額の付加金の支払いが命じられる場合があります。

 

まとめ

「使用者の責に帰すべき事由」に当てはまる休業の場合、使用者には休業補償をする義務がある。

ただし、天災事変等の不可抗力の場合は、

事業場の施設・設備が直接的な被害を受けた場合→事業主に休業補償の支払い義務はない

直接的な被害を受けていない場合→個別に判断

ということになります。

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